#2 キューバ、上陸。

ナダでのトランジットも含め、40時間ほどの移動の末、いよいよキューバに上陸する。そろそろアメリカ大陸を抜けた頃だろうか。飛行機の窓から差し込む日差しが眩しい。遠くに陸地が見えてくる。美しい海岸線、しばらくすると畑が点々と見える。さらに進むと錆びた煙突を持つ、いかにも手作り感のある工場が見えてきた。いよいよだ。飛行機はお世辞にもソフトランディングとは言えない、むちゃな着陸をする。途端、いっきに機内が熱くなるような感じがして、乗り合わせた乗客たちがざわつく。天気は快晴。気温は29℃。機長の到着を知らせるアナウンスが流れると、機内は拍手喝采、歓声が上がった。キューバは北米やヨーロッパのリゾート地でもあるのだ。太平洋をまたぎ、寒くて、曇っていて、整然と整備された先進国カナダを経由し、アメリカを飛び越えてきた分、キューバの生々しい熱気と突き抜けるような青い空が疲れを忘れさせ開放感を何倍にもさせる。

#3 Hotel Caribbean -カリブ海に抱かれた島-