#1 Revolution★Cuba

ューバに行きたい。学生の頃からもう何年もそう想い続けていた。たくさんの旅人からキューバの話を聞き、本を読む度にその思いは強くなっていく。 革命、社会主義、平等主義、カリブ海のリゾート、アメ車、サルサ、ダンス、葉巻、ラム。そして民衆の誰もが幸せを感じている。日本で作られるキューバのイメージとは苦難を乗り越え自分たちの力で作り上げた楽園・理想国家だった。今年で革命から50年。キューバは変わりつつある。そんな噂をよく耳にするたびに焦り、今か今かとキューバへ行くチャンスを伺っていた。自分の目でキューバを見てみたい。その夢はそのまま実現しないままに社会人になってしまった。もう今までのように好き勝手な旅行は一生できないだろう。そう思っていた。

社会人生活にも幾分慣れてきた今年の春、キューバが大きく動き出す。14年ぶりの共産党大会が開かれ、「平等主義」からの一部脱却。フィデル・カストロからラウルカストロへ交代。チェ・ゲバラの親友である、アルベルト・グラナドスの死。そのニュースが私を動かした。

チェ・ゲバラは言う「大きな仕事をするには、何事であれ、情熱が必要。革命には、多くの情熱と大胆さが求められる」もっとも渡航にも情熱と大胆さが必要だ。今しかない。私は今行かなければならないたくさんの言い訳を掻き集めて、キューバ行きのチケットを手に入れザックに必要なものを詰め込んだ。もちろんチェ・ゲバラの愛機でもあったニコンのカメラを連れて。私は資本主義経済という自由競争社会を離れ、理想国家キューバへ向けて飛び立った。

#2 キューバ、上陸。